わたしと、采斗。



ママ同士が高校時代の親友で、家も近所で、偶然、同じ日に生まれた。



必然的に、物心ついたときにはすぐ隣に采斗がいた。




采斗は小さい頃は女の子みたいで、すごく気弱で泣き虫だった。



転んでは大泣きして、虫がすっごく苦手だったから、道を歩く蟻にすら怖がってた。




でも……とても優しい男の子だった。



小2の頃、パパとママから誕生日にもらったおもちゃの指輪をなくした。



どんなに探しても見つからなくて、すごく落ち込んだけど、もうどうせ見つからないって諦めていた。



だけど采斗が、雪の積もった公園の中から探し出してくれた。



雪をかきわけ、真っ赤になった手で指輪を渡してくれた采斗の笑顔を、私はたぶん、一生忘れない。



それから中学生になって急激にかっこよくなった采斗は物凄くモテはじめて、中2で芸能界に入ってからはどんどん遠い人になって…



もう一度、一度でいいから




あの頃の采くんに会いたい……