「どっ、どうしよう采斗…!」


「はは、俺人気者だねー。すっごいありがたいけど、でも」




采斗が私に向かって手を差し出す。





「ごめん。俺が欲しいのは優里だけなんだ」


「あ、采斗」





「行こ、優里」






まるで魔法にかけられたように



自然に采斗の手をとった。





その手がギュッと握られる。





優しく、でも強く





もう絶対に離さないように。





「あっ逃げた!」



「追え~ってヤバッ、先生!?」



「何やってんだお前ら!さっさと校舎に入れー!!!」






背後で先生たちの大きな声がする。




振り向いた采斗と目が合った。





どこまでも甘いその瞳に、ドキドキする。