「…誰と誰が二股だって?」




底冷えするような冷たい瞳で男たちを見据える采斗。




「だ、誰って」




さっきまで強気だった男達が気圧されるのが分かった。




「…お、おまえも、この一般人にたぶらかされたんだろ?」



「この一般人?はー。ほんっとムカつく物言いするね、あんたら」





采斗が無理やりカメラを奪い取ると、ポイッと地面に投げた。




「ああぁ!?何すんだテメー!」



「それこっちのセリフだよね」





采斗が慌ててカメラを拾おうとする男の胸倉をつかんで乱暴に引き寄せる。




「あのさ。

いい加減我慢の限界。
あんなチャラ俳優と俺の優里が噂されるとかありえない」


「ち、チャラ俳優…!?」



「優里は俺の。
どーせなら全世界に向けてそう発信してくんない?」