そう、ほんとに思ってたんだけど。
「柏木優里さんですよね?」
校門をくぐろうとした瞬間、後ろから知らない男の声に呼び止められた。
振り向いた瞬間、パシャッとシャッターが切られる。
知らない男の人と、その隣にもう1人、カメラを向けてくる男の人。
「乙藤竜生くんのことで話聞かせてもらえるかな?きみ彼女なんだよね?」
「おい何なんだよオメーら急に!」
私を隠すように立ちはだかった一岡が2人を睨みつけた。
面白そうにカメラを持っていない方の男が一岡を見る。
「ん?君はもしかして柏木さんの彼氏とか?柏木さんに二股かけられた??」
「はぁあ!?ふざけんなっ…」
「マサ落ち着いて」
思わず掴みかかろうとした一岡を稟琉が止めた。
「学校内で生徒に取材なんて、許可は得ているんですか?」
毅然とそう言った稟琉に、肩を竦める男2人。
「ギリギリ学校内じゃありませんよ、まだ。それに取材なんて大層なものじゃないですよ。ちょーっとお話聞かせてもらおうと思っただけで」
…この2人…すっごく感じ悪い。
ふと周りを見渡すと、大勢の生徒が何事かとこっちに注目していた。
これ以上騒ぎを大きくするようなこと、したくないのに…!



