「…ありがと稟琉…一岡」
なんか泣きそうかも。
「…昨日の…写真のことだけど。リュウ…俳優の乙藤竜生と出かけたのは本当。色々あって…でも、ほんとに付き合ったりとか、そんなんじゃないよ」
「あったりまえだろ!」
一岡が乱暴な手つきで私の頭をクシャクシャにした。
「柏木が芸能人と付き合うとかドリームすぎ!わかってるっつーの!」
一岡の言葉に少し胸が痛む。
別の芸能人とはその、一応、付き合ってるんだけど…
「話しにくいこともあるのかもだけど、頼ってよ。友達やってんだし」
稟琉がそう言って、なぜか一岡の頭を軽く叩いた。
「ってぇな!?何で今殴られた俺!?」
「女子のヘアセットには時間かかるんですー、気軽にグチャグチャにしないでくださーい」
「そ、そうか…!でも叩くことなくね!?」
「…今日、学校終わったら話したいことがあるんだけど…少し時間くれる?」
私の言葉に、2人が言い争いを止めて、頷いてくれた。
誰かが流した噂とか、そんなんじゃなくて
大好きな人には、自分の口からほんとのことを伝えたい。