「疲れ…た…」
学校から帰るなり、私はバタリとソファに倒れこんだ。
絶対絶対に守らなきゃいけない秘密を持ってしまった、と思うとそれだけで常に緊張状態で
そんな私に追い打ちをかけるように、街中にもYUUのポスターがいたるところに貼ってあるしクラスメイトはYUUのドラマの話してるし電車でもYUUのCMが流れてくるし!
そして帰り道。さっそく私はやらかしてしまった。
「あれ…優里何でこっちの電車乗ってんの?」
稟琉と一岡と共に電車に乗り込んだ私を不思議そうに見る稟琉。
あぁあああしまったぁー!!!
当たり前のように采斗と住む、マンションの最寄り駅に向かう電車に乗ってしまったけど、
本当ならば私の家は逆方向…!
「え、えっと…じっ実はしばらくおばさんのマンションから学校通おうかなーと思ってて!」
「あー、そっかぁー。優里の家けっこう学校から遠かったもんねー」
その場しのぎの言い訳になんとか納得してくれた稟琉。
だけどすぐさま一岡が
「つか遊び行かせろよ、あのマンションの中気になるし!」
そんな余計すぎることを言ってきた。
一岡のバカアホマヌケ~!
そんな罵声を心の内で浴びせながら、
「う…うん。おばさんに聞いてみるね!今度!」
なんとか笑顔を作ったけど、たぶん引きつってたと思う。



