「ねえねえニュース見た!?乙藤竜生熱愛ってやつ!」




「ゔっ…!」




食べていたたまご焼きが変なところに入って盛大に咽た。




「ちょっと大丈夫?」




机をくっつけて一緒にお昼を食べていた稟琉が背中を撫でてくれる。



その間にもすぐ後ろの女子グループでの話は続いていた。




「もちろん見たよ!相手一般人でしょ!?」


「乙藤竜生ってすごいクールそーじゃん?
女に興味とかなさそうなのに意外~」




それは作られた偽りのイメージだよ…!芸能界の闇だよ!!




そう思いながら稟琉が差し出してくれたお茶を飲む。




「でも事務所が速攻否定したんでしょ?単なる友人ですって」


「らしいね~!あーよかった!ほんと熱愛とか心臓に悪いからやめて欲し~」




それは私も同意…!



だいぶ落ち着いてきた私は、「ありがと稟琉」とお礼を言ってお弁当を食べるのを再開した。




一瞬、世間を騒がせた乙藤竜生の熱愛疑惑。


だけどすぐにリュウの所属事務所が否定したので、それほど盛り上がりを見せることなくすぐに終結した。



だが――





「そんなことよりYUUと織原エマの熱愛の方がマジでショックなんだけどー!」




「ぐっ!」





今度は唐揚げだ。