振り向くと、クラスメイトの林田稟琉(はやしだりる)一岡暢樹(いちおかまさき)が驚いたように私を見ていた。



「りっ…稟琉!一岡も…!」


「なんで優里がこんな所にいるの?家この辺じゃないよね?ていうか…何で今このマンションから出てきたの?」




完璧に見られているー!




何て言い訳しようか頭をフル回転させる私。そんな私を不思議そうな目で見つめる稟琉と一岡。



ちなみに2人は幼なじみ同士で、そういえば家もこの辺だった。すっかり忘れてた…!




「え、えっと実は…知り合いがこのマンションに住んでて!昨日の夜泊めてもらったんだー…」


「は!?何それ、まさか男じゃないよな?」



鋭い一岡の質問に心臓がドキッと音をたてる。


何でこんな時ばっか鋭いの一岡~!普段はバカのくせにー!




「お、男…なわけないでしょ!?知り合いの…おば、おばさん!ていうか親戚の…そう!お母さんの妹なんだよね!」



「へー。それにしても」




稟琉と一岡が私と采斗が住むマンションを見上げた。




「すっごい良いマンション住んでんだね、優里のおばさん」


「だな!なんか芸能人とか住んでそ「住んでないよ!!」




食い気味で答えた私に、マンションから視線を移す一岡。




「あ、そーなんだ。ていうか柏木、なんか焦って…」



「早く学校行こ!今すぐ!すぐに学校行こう!!」





私はなんとか2人を急かして、すぐにその場を離れた。