「も、もういいから…早く食べないとハンバーグ冷めちゃうよ」


「うん、わかってる。でもあと10秒だけ…」


「もう……采斗」





「イチャついてる場合じゃないからそこのバカップル」




反射的にガバッと我ながら物凄い勢いで采斗から離れた。

人間、いざとなった時の反射神経には目を見張るものがある…なんて、今はそんなことどうでもよくて。



「佐保さん!?」



いつの間にか、佐保さんが部屋の入り口に立って険しい顔で私たちを見ていた。



「あれ、都さんどうしたの?なんか急な連絡なら電話でいいのに…優里とイチャイチャしてたのに…」



采斗が少し不満げな口調でそう言いながら椅子に座った。




「YUU、緊急事態発生よ」