“友達って誰?”



采斗にそう聞かれたくなかったのは理由がある。




「おまたせ~優里ちゃん」



待ち合わせの駅前で待っていると、やたらとスタイルが良いサングラスをかけた男の子が近づいてきた。


ギラギラの金髪が太陽の下で輝いている。




「…乙藤竜生…さん、ですよね?金髪でしたっけ?」


「あーこれ?ウィッグだよー!変装!」



へへ、とサングラスの奥で切れ長の瞳を更に細める乙藤竜生。





そう、聞かれると困る理由。


それは今日のランチの約束の相手が…




乙藤竜生、だから。