スマイルの絵文字とともに送られてきた樹くんからのメッセージに、私は心から安心した。

 ――元々早退や遅刻が多い人だから、もしかしたらどっか体が悪いのかなあって思っていたけど、違うみたい。

 マイペースそうな樹くんは、気分が乗らない日は軽い気持ちで休んだり遅刻したりするんだろう。

 そんな風に樹くんのことを考えながら、更衣室で体操着に着替えた後、体育館へと私は向かった。

 一時間目は隣のクラスと合同の体育で、バレーボールだった。

 男子はバスケットボールで、体育館を真ん中で仕切って隣で行っていた。

 そういえば樹くん、運動神経がいいらしくて体育の授業ではよく目立っていたなあ。

 バスケもかっこよくできそうだよね。

 人数の関係で、コートには立たずに休憩していた私は、ぼんやりとバスケをやっている男子を眺めていた。

 すると私の足元にバスケットボールがひとつ転がってきた。

 男子が間違ってこちらに飛ばしてきたものだろう。

 私がそれを拾うと――。


「あ、それ……」

「――!」


 ボールを取りに来た男子に声をかけられて、私は体を硬直させた。