「――はい。そうします」


 私は素直にそう言って、席を立ち教室を出た。

 保健室まで歩いていると、先生に呼ばれたことで吹っ飛んでいた眠気が次第に復活してきた。

 保健室にたどり着いた頃には、ふらふらになるくらい眠かった。

 は、早く寝たい……。

 保健室には誰もいなかった。

 養護教諭の先生も、席を外しているみたいだ。

 本来ならちゃんと先生に言ってからベッドを使わせてもらわなければいけないはずだけど、今の私にはそんな余裕はなかった。

 私は覚束ない足取りでベッドに向かうと、そのまま布団の中へと滑りこんだ。

 そしてすぐに、夢の世界へと旅立ってしまった。





 目が覚めたら、頭はすっきりしていた。

 布団にくるまったまま、保健室の壁に掛けられた時計を見る。

 時間は五時間目の終了間際だった。

 五時間目の初めくらいに先生に注意されたから、たぶん眠った時間は三十分くらいだろう。

 時間にしてはとても短いけれど、眠りが深かったせいか、先ほどまでの重い眠気は嘘のようになくなっていた。

 ――六時間目はいけそうだなあ。