もしそうだとしたら、そんなに嬉しいことはないよ。
――そして私は。
樹くんと、これからもずっと恋をしたいよ。
そう思った直後、樹くんの担当医が私たちの元へやってきた。
彼が目を覚ましたらしい。
まずはご両親が、樹くんの様子を見に集中治療室へと入って行った。
――樹くん、どんな様子なんだろう。
目を覚ましたのなら、きっと大丈夫……なんだよね?
今すぐ死ぬという状況じゃないとは、さっき悟くんが言っていたけれど。
親しい人が重い病になったのが初めての経験の私は、とてつもなく不安だった。
しばらくして、ご両親が集中治療室から出てきた。
樹くんの様子は、思ったよりも元気そうで普通に会話ができる状態とのこと。
それを聞いてほっとしていると、樹くんが私を呼んでいると伝えられたので、私はひとりで集中治療室に入った。
白いベッドの中に寝そべる樹くんには、点滴の管やら、私にはよくわからない病院の機器から伸びた管やらが取り付けられていた。
いつも私の隣を歩いている樹くんの、見たこともない弱弱しい姿。
私はそれだけで、泣きそうになってしまった。



