「あー、まあ今のあんたを見てるとそうかあ」


 私の言葉に、琴子は納得したような顔をした。

 私と対極に位置するようなキャラの樹くんと仲良くなるなんて、恐れ多すぎるよ……。

 そんなことを考えていると、カウンターの隅に置いてあったノートが目に入って、私はそれを手に取って開いた。

 このノートは、通称”図書館ノート”と言われるもの。

 図書館に来た人が、置いて欲しい本をリクエストしたり、読んだ本の感想を書いたり、図書委委員や司書の先生のおすすめの本を教えて!と尋ねることができたりと、本に関することならなんでも書いていいノートだ。

 まあ、図書館に来る人自体が少ないから、あまり書き込みはないんだけどね。

 ――だけど、一年くらい前からは。


「あ! 今日もあの人から書いてある!」


 ノートの新しい書き込みを見て、嬉しくなった私は弾んだ声を上げる。


「すごいね! もうずっと栞とやり取りが続いてるじゃん」


 琴子の言う通り、もうこの書き込みの主と私は、長い間やり取りが続いていた。