周りの友達にも彼氏ができたっていう子がちらほら現れ出した頃、私も恋愛小説みたいな恋がしてみたいなって思って、彼に告白することにした。

 ラブレターを書いて、渡そうとしたんだ。

 でもそれを本人に渡す前に、クラスのお調子者の男子に見つかって、黒板に手紙を貼り出されてしまった。

 そして、それを見た本人がみんなの前で言ったんだ。


『何これ、気持ち悪い』


 ――彼は私のことを、そんなに好きじゃなかったみたい。

 ただ、面白い本を共有する知り合いとしか思っていなかったみたい。

 そんな私にラブレターなんて書かれちゃ、気持ち悪いって思うのも当然だよね。

 だけど本当に彼のことが好きだった私はとてもショックだった。

 一緒に過ごす時間が多かったから、友達以上に仲がいいんだって思い込んでいたし、告白だってうまくいくかもって思っていたから。

 それがきっかけで、私は人とうまく話せなくなってしまった。

 大好きだった本の世界に、閉じこもるようになっちゃったんだ。

 友達付き合いも上手にできなくなってしまった私。