「……ありがとうございました。佳奈は、無事に天国に行けますか?」

「……はい」

僕は佳奈のお姉さんの言葉に微笑むと、病室を飛び出してソルを探した。

「……さっきいた場所にいない……どこだ?」

ソルみたいに、僕は悪霊の位置を把握出来ないからな……でも、この病院の中にいることは確かだ。

僕は、病院の中を走る。階段を駆け上がって、僕は屋上を目指した。何となく、屋上にいる気がして……。

「……ソル……」

屋上に着くと、ソルは傷だらけで短剣を構えている。僕は、呪術で弓を作り出すと空へと飛び上がった。死神は地上にいる時だけ、空を飛ぶことも出来るんだ。その代わり、飛んでる間は霊力を消費し続けるけど……。

僕は弓に矢を番えると、悪霊に狙いを定めて……矢を放つ。僕の放った矢は、悪霊を貫いた。悪霊は、僕のブレスレットの中に入ってく。

弓を片手に地面に着地すると、ソルは僕を見ると微笑んだ。次の瞬間、ソルは地面に倒れ込む。

「ソル!」

僕はソルに近づくと、ソルの名前を呼んだ。ソルは、ゆっくりと顔を上げる。表情は、苦しそうだ。

「……全く……ソルは、いっつも無理するんだから……」

声が聞こえてきて、僕は顔を上げる。そこには、肩までかかったオレンジの髪をツーサイドアップにした青目の女の子が立ってた。