僕は、地面を強く蹴ると屋根の上に飛び乗る。そして、悪霊の放つ光弾を避けながら悪霊の様子を窺った。

「……」

光弾を刀で弾くと、その場から飛び退いて悪霊からは見えない位置まで移動する。

「どうしよう……」

僕がそう呟いた時、後ろから気配を感じて振り向いた。そこには、銃を手に持った悪霊がいる。

「……っ!」

僕は、悪霊の放った光弾を刀で弾くと悪霊と距離を取った。

「……」

……間合いに入れそうにないな……僕も銃か弓を使って戦う?でも……苦手な武器を使って戦っても、逆に霊力を使い過ぎて倒れるかもしれないし……。

僕がそう思いながら悪霊を見つめてると、悪霊は何かにぶつかったのか吹き飛ぶ。

「……っ!」

僕が屋根からそっと下を覗いてみると、水色髪の誰かが銃を悪霊に向けていた。

あの子は、確か……あの時見た……地獄の死神?

水色髪の子は、銃を刀に変えると悪霊に向かって走り出す。そして、綺麗で無駄の少ない動きで悪霊の攻撃を避けながら、悪霊に斬りかかった。

「……すごい……」

僕は屋根の上から水色髪の子が戦う姿を、ずっと見ていることしか出来ない。

水色髪の子が悪霊を斬り付けると、悪霊は消えていく。