独特の雰囲気を漂わす建物内を興味深くぐるりと見回して、奥にまたドアがあることに気付いた私は、胸を躍らせながら向こう側を覗いてみることを決めた。


「……!」


飛び込んできた大音量に息を呑む。
クリアなのに情熱を感じる歌声、そしてその歌声を引き立てる迫力のある楽器の演奏。
聴覚や視覚がこれでもないかってくれい刺激されて、感動のあまり全身に鳥肌が立った。
控えめに開けたドアの隙間からこっそり見た先に広がっていた光景は、私の求めていた鮮やかな色のある世界そのものだったのだ。

一体となり曲を奏でている四人の少年達は、時たま駅で見かける高校の制服を着ていて、それが私とあまり変わらない年齢であることを証明している。
なのにこんなに心に響く曲を生み出していることには、桁外れの感動を覚えた。