♪
――みんなとの出会いは遡ること半年前。
当時高校二年生になったばかりの私が図書館へ本を返却しに行こうとした時のことだ。
ここのところ風も暖かくなってきて、本格的な春の到来を肌で感じながら目的地へ向かおうと思ったのだけれど、前方に工事中の看板が見えたことと、地面を削る音が聞こえてきたことにより、その時の私は通常のルートから少し外れた道を選んだのだ。
いつもとはちょっぴり違う景色を横目に一人静かに足を進めていたら、遠くなっていく先程のドリル音に反比例して、何か演奏している音が微かに耳に入ってくるようになった。
前に進むほど近くなっていくその音が、ギターやドラムを用いたロックバンドによる演奏だと予想がつくなり、無意識のうちに早足になる。
「ここだ……」
――みんなとの出会いは遡ること半年前。
当時高校二年生になったばかりの私が図書館へ本を返却しに行こうとした時のことだ。
ここのところ風も暖かくなってきて、本格的な春の到来を肌で感じながら目的地へ向かおうと思ったのだけれど、前方に工事中の看板が見えたことと、地面を削る音が聞こえてきたことにより、その時の私は通常のルートから少し外れた道を選んだのだ。
いつもとはちょっぴり違う景色を横目に一人静かに足を進めていたら、遠くなっていく先程のドリル音に反比例して、何か演奏している音が微かに耳に入ってくるようになった。
前に進むほど近くなっていくその音が、ギターやドラムを用いたロックバンドによる演奏だと予想がつくなり、無意識のうちに早足になる。
「ここだ……」



