新しいマンションはどんなところだろうなぁ。

そして、念願のひとり暮らし!

これからの生活に期待を膨らませながら、歩いていると。



「陽菜ちゃんっ」



名前を呼ばれて立ち止まる。

振り返れば、碧が私のもとへ走ってくる姿が見えた。



「陽菜ちゃんっ」



そんな碧の姿に驚いて立ち止まっている私。

気づけば、目の前に碧がいる。


走ってきたのに、汗ひとつかいていない碧。

鍛えたりしているのかな……。


と、思わず碧を眺めていると。



「久しぶりに、一緒に帰ろ?」



なんて、首をかしげて可愛く誘われた。


やっぱり、碧だ。

あのときの碧と何ひとつ変わっていない。


私は嬉しくなって、大きく頷いた。



「うんっ! 帰ろ!」



にこっ、と笑って碧が私の隣に立つ。

そのまま歩き始める私たち。



「今朝はごめんね?」



碧が急に私に向かって、頭を下げる。


えっ。

なんで、頭下げているの!?

頭、上げてよ!


私があたふたしていると、その答えは碧が教えてくれた。