凛ちゃんの心の奥底まで届くように叫ぶ。



「友達の苦しみに寄り添うのが友達でしょ!?」

「友達なんかじゃ……っ!」

「私は友達だと思っているの!」



そうだよ。

凛ちゃんが碧を好きだろうと、凛ちゃんが脅迫メールの送り主だろうと。


それでも。



「私の友達は凛ちゃんなんだから!」



あの時。

私が文芸部に入部したときの凛ちゃんの笑顔は心の中に残っている。

凛ちゃんがどんな凛ちゃんになっても、私は変わらない。

友達は友達だから。


凛ちゃんが顔を上げる。

その顔は涙でぐちゃぐちゃで。

多分、私も同じ顔をしていると思う。



「陽菜さん……っ」



凛ちゃんが私のブレザーを握る。



「私、メールアドレスを2つ持っているんです。ひとつは陽菜さんとお友達になったときに交換したときので」

「うん」

「もうひとつは、2人の仲を壊すためのメールを送るために作ったメールアドレス……。悪いことしているとは思っているんです」