お前の隣は俺だけのもの。

「活動はしてないよ」

「え?」

「“龍虎”の名前が残っているだけで、活動はしてない」



ええっ!?

だって、『伝統を繋いでいきたい』とか『居場所』って言っていたの、碧たちじゃん!?

どういうこと!?



「別に喧嘩したいわけじゃないし。バイクとか免許持っているわけでもないし」



碧がぼそぼそと呟く。

じゃあ、なんで、伝統とか言うの?



「碧はさー。小さい頃、いじめられていてさ。それを、大好きな女の子に守ってもられていたんだって」



怜央が面白そうに話す。

碧がとめようとするけれど、そんな碧をとめたのは私だった。



「その女の子を今度は俺が守りたい、ってさ。強くなりたいから暴走族の世界に入ったわけ」