「栗色のふわふわの髪の毛とか。小さいところとか。目がパッチリしているところとか」



碧に褒められたらなんだか照れるけど。

小さいって……。



「私、身長低いの、気にしているのに!」



褒められているのか分からなくなってきた。


碧はいつの間にか身長が伸びて。

多分、私より20センチ以上、身長が高いと思う。

“かわいい碧”はもちろんだけど、かっこよくもなった……、と思う。



「小さいって身長の話じゃないよ? 小柄で犬みたいにかわいいな、って思って」

「……犬で例えるなら?」

「んー。チワワかな」



よし。

それなら許そう。

私ってチワワみたいなんだね!


機嫌を取り戻した私は、辺りを見渡した。

気づけば住宅街を抜けていて、少し都会っぽいところまでやってきた。

ビルやマンションが立ち並ぶ。


なんか、高級そうなビルやマンションばかりだな……。

そろそろ、私の家に着くと思うんだけど……。

私は、こんな高級そうなマンションじゃなくていい。

普通のマンションでいい。