「買い物ですか?」

「そうそう。お好み焼きを作ろうと思って!」



凛ちゃんは『美味しそうですね』と微笑む。

凛ちゃんの笑顔は人を癒す力があると思う。



「おひとりで食べるのですか?」

「いや、碧と一緒に……、!?」

「え?」



……。

口が滑ってしまったぁあ!

碧と一緒にお好み焼きを食べるって、普通に考えたら危ない発言をしちゃったよ!?

私たちが同居していることは、怜央と潤しか知らないんだもん。


慌ててフォローに入る私。



「いやっ! 怜央に誘われてね!? そこに碧も来るみたいで……っ!」



苦しい言い訳。

こればかりは、本当のことは言えない。

そう思って、必死に言葉を選ぶけど、墓穴を掘っている気がする。



「九条くんと仲がよろしいんですね」



一瞬。

凛ちゃんの声が低くなったような気がした。