「陽菜ちゃんの手、温かいね!」



そう言って微笑む碧は天使でした。


天使に連れられながら、住宅街を歩いていく私。

引っ張られるように歩いているけど、私の家、この道で合っているよね……?

間違っていたらどうするんだ。


そう思いながら、右手に握っていた手紙を見る。


……住所は合っている。

どうやら、この道で正解のようだ。


そんな私に気づいているのか、気づいていないのか。

碧はどんどんと先へ歩いていく。



「陽菜ちゃんは、幼稚園の頃となにも変わっていないね」



突然、碧が振り向く。

幼稚園の頃となにも変わっていないって……。



「子供っぽいってこと!?」



それは失礼だ。

失礼すぎるぞ、碧。


私が頬を膨らませていると、碧はくすっと笑った。



「違うよ。陽菜ちゃんはずっとかわいい」

「かわっ、!?」

「うん。かわいい」



私に『かわいい』なんて言ってくれる碧がかわいいけどな。