斎藤先生が戻ってきてから新選組は今まで以上の活躍を見せていた。

日々の見廻りで京の治安を維持し、新選組の親元である会津藩からの命令に忠実に従い、確実に新選組の地位は上がっていった。

いまだに御陵衛士らをどのように粛清するのか決まっていないらしく、いずれ御陵衛士が粛清されると知っているのは近藤先生、土方先生、斎藤先生、そして私だけだった。

そんなある日、近藤先生が新選組隊士を一か所に集め重大な報告をしたのだ。

「此度、新選組が幕臣に取り立てられることとなった。

新選組は今後、幕臣として幕府に絶対の忠誠を誓う。

幕臣として取り立てられたため、皆には褒章金とは別に正式に給金が出ることとなった。

各々に与えられた役職と給金はすべてこの紙に書いてあるので各自で確認すること。

なお、我々が幕臣に取り立てられたからといって今までと大きく変わることはない。

一まで通り精進し、有事に備えること。」

今まで会津藩のお抱えとして存在してきた新選組は今までの功績をやっと幕府に認められたのだ。

今まで会津藩からわずかな報奨金と給金しかもらえていなかった新選組隊士は皆今回の出来事に歓喜した。