いまだに死ぬことのできていない浅野は息を整え、自分の腹に刺さっている小太刀を力の限り引き抜いた。

そしてその力のまま再度自分の腹に刺し、その状態で小太刀を一回転させたのだ。

ついに浅野は息絶え、小太刀を握りしめたまま横に倒れた。

浅野の死を確認すると他の隊士に命令して棺に入れさせ、そのまま浅野の亡骸は埋葬された。

浅野の切腹に一番心を痛めたのは介錯をつけないと決めた近藤先生本人であり、近藤先生は浅野が埋葬されたのを見届けると、誰にも話しかけずに屯所へと戻っていった。