沖田先生が道場に姿を現したのは一週間後で、一週間前よりは幾分か顔色がよかった。

私は稽古の手を止め、沖田先生の元へ斎藤先生とともに歩み寄った。

「総司、お前他の隊のやつがここまで心配してるってことは総司の隊のやつらはもっと心配してるってことになる。

もう大丈夫なのか?」

「心配かけてすまない。
山南先生のことはまだ忘れられないけれど、杉崎の言葉が効いたから俺は前を向いて歩ける。

杉崎、お前には感謝している。」

「俺は自分にできることをしただけです。

それに、忘れる必要なんてないと思います。
本当に大切な人ならどんなに離れていても、二度と会えないとしても心と心でつながっていると俺は思っています。

甘い考えだって言われるかもしれませんが、俺はこの信念を貫き通します。」

自分で思っていることを言っているだけにもかかわらず、沖田先生の心に残るものがあったらしく、沖田先生は「一番隊に来てほしいくらいの人材だ」と私の手を握りながら何度も頷いた。

「総司、絶対に一番隊にはやらん。

杉崎は三番隊の柱だからな。」

「たまに貸してくれても…」

「絶対ダメ!!
総司だとしてもそれだけは譲れない。」

「一君のけち。」


こうして斎藤先生と言い合いができるほどになったのだから、少なからずいい方向に向かっているのだろう、私はそう思い、稽古へと戻った。