斎藤先生との思いが通じ合った翌日以降も、私は普段通りの生活をしていた。

三番隊の稽古に交じり腕を磨き、三番隊が見廻りに行くときは必ずついていき、任務に行くときも必ずついていった。

そんな日がひと月くらいたっただろうか、ついに斎藤先生に声をかけられてしまった。

「俺、言ったよな?
杉崎を危険な目に合わせない、俺が守るって。」

「はい。
でもここに置いてもらっている以上は私も皆さんと同じように働きます。

だって、最近見廻りとかが増えているのは、脱走や体調不良で人手が足りていないからですよね?

それなのに、私だけ屯所にいるわけにはいきません!

お願いします!」

外に出るということはそれ相応の危険が伴い、最悪の場合女だとばれることもあるかもしれない。

それでも私が譲れない理由は、斎藤先生を守りたいという理由だった。

斎藤先生は強いけれど、もしかしたらの事態が起こらないとも限らない。

私はその時に後悔したくなかったのだ。

私の様子に根負けしたらしく、斎藤先生はため息をつきながらも「それが杉崎だもんな…」とつぶやいた。