俺は怒っていた。

どうして杉崎さんに介錯をさせたのか局長に聞かずにはいられなかった。

杉崎さんは強いけれど、あの人が強いのは仲間を守るために刀を振るうという確固たる信念を持っているからだ。

それなのに局長は仲間を殺すための介錯をさせるなんて、どうかしている。

俺や一君のように仲間に対しても心を鬼にできる人じゃないということぐらい局長はわかっていたはずだ。

案の定、杉崎さんの心は壊れてしまった。

「局長、お話があります。」

俺は少し怒ったような口調で廊下側から声をかけた。

「その声は沖田か。
入ってこい。」