壬生狼の恋ー時を超えたふたりー

俺が来たことにより、旧幕府軍は形勢を立て直し、勝機が見えてきた。

そんな時だった。

俺たちに嬉しい報が入ってきた。

新政府軍が味方の戦艦を攻撃して戦艦を一つ沈没させてしまったのだ。

これは俺たちに流れを向けるのにいいものとなった。

「新政府軍は今まともに統制がとれていない。

今のうちに弁天台場を取り返すぞ!」

俺は馬上から刀を上に向け、ここにいた仲間に聞こえるように声を張った。

「おぉ!!」

俺たちの士気は最高潮まで上がっていた。

これならば弁天台場を取り戻すのにさほど時間はかからないだろうと思われた。