俺が蝦夷へ向かいまずやることは函館府を制圧した後に松前藩を制し、蝦夷地を旧幕府軍のものにすることだった。

かつて旧幕府軍が蝦夷地を統治していたものの、気がつくと松前藩らが新政府軍側に寝返っていたたため、蝦夷地はあっという間に函館府という新政府軍に統治されてしまっていた。

函館府を占拠した後、戦術を練って新政府軍を撃退させ旧幕府軍の勝利でこの戦いを終わらせるというのが目標だった。

俺は函館府を占拠するために二手に分かれて行軍する部隊の片方の指揮をとることを任されていた。

今までは新選組の見知った隊士だけしか指揮を執っていないためk、うまくいくかはわからないが、ここまで戦い抜いてきたものたちだからどうにかなるだろうと考えていた。

俺が自分たちの陣中に命じたことは無用な戦いを避けること、ただそれだけだった。

新選組が分かれる前から俺はずっと無駄死にだけはするなと言ってきたのだから、今更それが変わることなどない。

俺の指揮に納得できないようなものもいたが、そういうやつらはいずれ陣の雰囲気を壊す存在になりかねなかったため、上陸前にとことん話し合った。

無駄死にだけはするなと懇願する俺に対してそれでは戦う意味がないと答える。