伏見へ着くと、すでに旧幕府軍の多くが集まっており、新撰組も彼らとともに戦うことになった。

新選組を指揮するのは土方先生だが、この伏見での戦いを指揮するのはまた別の人だった。

私たちは総指揮を執っている陸軍奉行の竹中重固という人物に従い、旧伏見奉行所に本陣を構え、新政府軍と戦うことになった。

新政府軍が本陣を構えたところは御香宮神社で、私たちを囲むように陣形を整えていた。

「向こうが官軍と決まったわけじゃねぇ。

俺たちが官軍だ!
お前ら、無駄死にだけはするんじゃねえぞ!」

官軍、つまりどちらが正当な兵かまだはっきりしていなかったので、今は自分たち旧幕府軍が官軍であると信じることによって、己を鼓舞することができたのだった。

私たち新選組は土方先生に鼓舞され、再度だんだら羽織をきれいに羽織りなおすと、会津藩兵とともに新政府軍を駆逐すべく立ち上がった。