徳川慶喜が大政奉還をしてから数日経つと、なぜそれをしたのか少しずつ理由が明らかになった。

大きな理由としては討幕を防ぐため。

討幕される前に自ら明治天皇に返していれば、名前は変わったとしても引き続き政治の舞台に立てると考えたためだということが明らかになった。

大政奉還をした理由が明らかになると少しずつ新選組の屯所は落ち着きを取り戻し、今後も新選組は存在し続けられるという考えで埋め尽くされた。

しかし脱退してしまった隊士が多く、戦力は確実に落ちていたので今後新選組は数々の苦難にぶつかってしまうのであった。

一月ほど幕府が大政奉還をしてからも新選組には大きな動きはなかった。

旧幕府から新選組に対して待機命令が出ていたためである。

新選組に残った隊士は減ってしまった人数を、力をつけることによって補おうということになり、道場では以前にもまして稽古が長時間行われることとなった。