慶応3年10月14日、江戸幕府15代将軍、徳川慶喜が明治天皇に対して、大政奉還上表を提出した。

翌15日にそれが受理された。

長い間続いた江戸幕府は終了し、幕府は政治の表舞台から降りたのだった。

江戸幕府が無くなるということは幕臣である新選組も解体されてしまうのではないか、そんな噂が屯所内を駆け巡った。

新選組の屯所は一気にその話題で持ちきりになり、今後の身の振り方を考える隊士が続出した。

脱退する隊士が増え、新撰組は一気に崩壊してしまったように思われたのだった。

まだ今後新選組がどのようになるのかは局長の近藤先生すらわからなかった。

それでも新選組に残った隊士らはやはり義の精神を持っていたからなのであった。