それから間もなくしてだった。

ひとりの新選組隊士が部屋の前までやってきた。

「斎藤先生、杉崎さん。
局長がお呼びです。

部屋まで来るようにとのことです。」

ついにこの時がやってきてしまったと私と斎藤先生は覚悟を決めた。

「わかりました。
すぐに行きます。

わざわざ教えに来てくれてありがとうございます。」

私は呼びに来てくれた隊士に感謝の気持ちを告げると立ち上がった。

斎藤先生も少し遅れて立ち上がり、そのまま私の口に少し荒々しく口づけをした。

この状況でまさか口づけをしてくるとは思わなかった私は焦ったが、斎藤先生はいつもと変わらなかった。

「何があっても本当のことを話せるようにするまじないだ。」

そう言うと斎藤先生は先に部屋を出て、私もそれを追いかけるような形で部屋を出た。