壬生狼の恋ー時を超えたふたりー

「斎藤先生、あなたに会えて俺は本当に幸せだった。

こんな俺を受け入れてくれたことに感謝してもしきれません。」

私は短い言葉で斎藤先生に感謝の気持ちを述べ、斎藤先生の胸元から離れた。

「俺、まだあきらめてません。

昨日まではすべてを受け入れるつもりだったのですが、斎藤先生に抱きしめられていたら、まだ生きたい、斎藤先生と一緒に。

って思ってしまったから死ぬわけにはいきません。

もし近藤先生に罪を咎められたら、俺はまだ誰にも言っていないことを正直にすべて話します。

本当は最初に斎藤先生に話しておくべきだったのかもしれないのですが、ずっと黙っていてすみません。」

「俺はお前が何か隠していることがあるのは会ったときから気づいていた。

でも杉崎が何も話さないから話したくないのだろうと思っていた。

昨日俺に言ったことをおれはそのまま杉崎に返す。

生きることをあきらめるな。」

私は斎藤先生に強く頷くと袴を着用し、刀と小太刀を脇に差し、最後まで武士として、新選組の隊士としていよう、と心の中で誓った。