壬生狼の恋ー時を超えたふたりー

私は斎藤先生に抱きしめられたまま眠ってしまっていたようだった。

気がついた時には朝日が昇っいて一晩ずっとこのままだったということを理解した。

斎藤先生の胸元から顔をあげると、斎藤先生はとてもやさしい顔をしてずっと私のことを抱きしめていたのだということに気がついた。

「俺だけ寝てしまったのですね…」

そうつぶやくと斎藤先生は私の髪をゆっくりと何度も撫でながら「まだこのままで」とささやいた。

私も斎藤先生に抱きしめられていると気持ちが落ち着き、その間だけは何もかも忘れられるので、ずっと斎藤線に抱きしめられたままいた。