壬生狼の恋ー時を超えたふたりー

私たちは土方先生がいなくなっても誰もその場を動かなかった。

女人禁制の新選組に隠れて女が入隊していたなど、考えなくてもいけないことだとわかるべきだったのだ。

もし私が初めて斎藤先生にあった日に新選組に入隊したいなど言わなければ、もし斎藤先生が御陵衛士の偵察に行ったときに私もついていくふりをして新選組から脱走していれば、もし私があの日、背中を斬られなければ…

今更後悔しても何かが変わるわけではないのに、私は後悔せざるを得なかった。

自分のわがままで斎藤先生と松本先生に迷惑をかけてしまったことを、もしできるのであれば迷惑をかける前に戻りたかった。

そもそも私が今この世界にいることがおかしいのだから、誰ともかかわらない生活を送っていればよかったのではないかと次から次へと後悔の念が浮かんでは消えていった。