私は今までの遅れを取り戻すべく、日々稽古に明け暮れる生活を送っていた。

一月以上刀を持たなかったせいで、重いものを何も持たなかったせいで、私は初めて真剣をもった斎藤先生と手合わせをしたあの日よりも無様な結果を斎藤先生に見せてしまったのだ。

道場について模擬刀を渡されたとき、私はあまりの重さにそれを落としてしまっていたのだ。

そしてどうにか両手に力を入れて刀を持てても振るうことなどできるわけなく、両手をあげた瞬間重さに耐えられず、刀は道場の床へと落ちていったのだ。

「杉崎、今日の稽古は中止だ。

とりあえず前ほどとは言わねぇ、刀を持てるようになったら俺に声をかけろ。
その時から稽古をつけてやる。

ただし、悠長にしている時間なんてないからな。」

あの日、斎藤先生はそういいと自分の持っていた模擬刀と私の落とした模擬刀を拾い上げると元置いてあった場所に戻し、道場を後にしてしまったのだ。

私は本当に不甲斐なかった。

せっかく心を取り戻したのに、それがあまりにも長すぎて腕の筋力が著しく低下してしまっていたなんて。