ちいさなことばをひろいあつめて【短編集】

　「そんなナリでよく頑張るねぇ。同族として哀れに思うよ」

　「煩い。私はお前達と違う」

　「ほう、どう違う？お前も私もあの方から…」

　「煩いと言った！」



　闇の言葉を遮り少女が飛び掛かる。

　しかしこの言葉は罠である。

　安い挑発に乗ってくれたと闇が嗤い、膨張した。

　膨張し広がった闇は何百もの棘に変わり飛び掛かって来た少女に襲いかかる。


　少女は目の前に現れた闇色の棘をフルーレで薙ぎ払うが払えども次から次に生えてくる棘を捌ききれず肩、腹、太腿と貫かれ血を流した。