「あはは、あはは…来たよ来たよ…同族殺しが」



 嘲る言葉が二人にぶつけられる。


 その言葉に少女の冷え切った左の眼に嫌悪が混じった。

 そして携えたフルーレを静かに構える。


 持ち手には華美で繊細な装飾。

 控え目に、されど存在感のある宝石が埋め込まれ、それは美しい少女に見合った意匠だ。