高校物語 ー秋ー

「あ、如月くん!」


「…なんか用?」


早く神谷に戻ってきて欲しい。それより、渡辺、絶対神谷に協力させた。これ、きっと事実。


「あのさ、如月くんって彼女とか、いる?」


「いないね」


「じゃ、じゃあさ、」


「ないと思うよ?渡辺、もっと愛想のあるやつ紹介してやるよ」


きっと、断られないと思ってたのか、先読みされたのが意外だったのか、口をあんぐりと開けっ放しにしている。他の男にやったら、落ちてくれると思うけど、相手を間違えてる。


「え、あぁ、うん…如月くんは京子ちゃんが好きなの?」


「そこは、ご想像にお任せします」


きっと、神谷も本当にトイレに行ったわけではないと思う。だから、あんまり長い間待たせたくないから帰る。


「絶対!…絶対に如月くんに好きになってもらう」


へぇ、大胆。


「やれるもんならやってみな」


きっと無理だと思うけど。


「だって、きっと空しくなるよ。京子ちゃん、彼氏っていうか、いるもん!」


は…?なにそれ、初耳。走り去った背中を間ながら考えた。もっと詳しく聞きたかったが神谷を待たせるわけにはいかないと思い、相手を追いかけるのはやめた。