人権剥奪期間

☆☆☆

それから2人で屋上へと移動していた。


テントを張っていた場所から一段高くなっている諸水槽の影に隠れて、身を寄せ合う。


今日は天気がいいからこうしていられるけれど、雨が降ればここにいることも難しくなるだろう。


「そのハンマー、ずっと持ってるのか?」


聡介があたしの右手に視線を落として聞いてきた。


木工教室から持ち出してきたハンマーはしっかりと握られている。


それでも女子生徒たちはあたしを見ても恐れなかった。


あたしが商品だからか。


もともと攻撃できないと思っているからか。


あるいは両方かもしれない。


「うん」


あたしは短く答えてハンマーを見下ろした。