あたしも殺されるんじゃないだろうか?


そう思うと全身から血の気が引いていった。


「これつけて」


いつの間に準備していたのか、お母さんがあたしに絆創膏を渡してきた。


手鏡で確認しながら数字の上に貼り、周りの髪の毛で絆創膏を隠す。


一見すればわからなくて、ひとまずホッとため息を吐き出した。


この数字が見えなければ攻撃されることはない。


しかし、安心したのもつかの間だった。


街から出る寸前でビーッビーッという警告音が聞こえ始めたのだ。


大きな音にとっさにお父さんは路肩に車を停止させた。


「なんの音だ!?」


「わからないわ!」


大声を出さないと互いの声も聞こえないほどの音。


その音はまるで自分の体の中から聞こえてきている気がして、あたしは座った状態でうずくまった。


「なに? どうなってるの?」


そんな自分の声はかき消されてしまう。


「来た道を少し戻ってみるか」


なにかに感づいたお父さんがそういい、車をUターンさせた。


そして少し走らせると、警告音はピタリと止まったのだ。