「とにかく、食べようぜ」


大志の声に視線を移動させると、いつの間にか先生の机の上におにぎりとお茶を並べていた。


飲み物の中にはジュースやエナジードリンクなども混ざっていて、あたしは瞬きをした。


そんなもの、食堂の女性からはもらってないはずだ。


不思議に思っていると聡介が苦笑いを浮かべて「さっき、自販機を壊してもらってきたんだ」と、説明した。


「俺たちろくに寝ずにまた逃げ回るんだ。とにかくカロリーや栄養は必要だろ」


大志はそう言ってあたしにエナジードリンクを差し出してきた。


炎のようなイラストが書かれていて、飲んだら強くなれそうだ。


あたしはそれを素直に受け取って一口飲んだ。


そして顔をしかめる。


エナジードリンクは初めて飲んだけれど、カキ氷のシロップみたいな味がする。


それからみんなで朝食をとって、今日1日どう逃げるかを相談した。