恐怖ダウンロード

☆☆☆

「あははははは!」


女子トイレの個室であたしと夢はお腹を抱えて大笑いしていた。


靖の慌てっぷりを思い出すと涙まで出てくる。


「あの靖の顔、見た?」


夢の言葉にあたしは何度も頷く。


「見た見た! 真っ青になって鼻血を流しながら逃げてたよね!」


靖になにが見えていたのかわからないが、傍から見たら滑稽でしかたなかった。


ひとしきり声を上げて笑った後、ようやく涙をぬぐってトイレから出た。


クラスメートたちも靖の奇行っぷりに驚いていたし、靖の評価は一気に底辺まで落ちたといってもいいかもしれない。


あたしはいい気分で夢を見つめた。


夢の気もこれで晴れたことだろう。


1年生のころから抱えていた恨みは、奇麗に浄化されたと思う。


D組へ戻ると美紀たちはとても大人しかった。


友人の靖があんなことになってしまったのだから、元気もなくなることだろう。


「ほんっとなんなんだろうなぁ」


陸が椅子に座って大きな声で呟く。


「なんかヤバイ薬でもしてたんじゃないの?」


美紀は手鏡で前髪を直しながら答えた。


「そんな薬だなんて」


クラスメートたちがいる前だからか、愛子はハラハラした様子で周囲を警戒している。