恐怖ダウンロード

これが靖への恐怖だろうか?


でもどうして靖は突然叫んで逃げ惑い始めたんだろう?


靖は顔面蒼白で、目に涙を浮かべているのだ。


時々振り返り、見えないなにかから逃れるようにまた走る。


「どうしたの靖?」


愛子がおどおどと声をかける。


「お、女の幽霊がいるんだ!」


走りながら靖は答えた。


「俺を追いかけてきてる!」


女の幽霊?


もちろん、そんなものどこにもいない。


靖にしか見えていないのだ。


「あははっ。今度は幽霊系の恐怖だね」


気がつけば夢が近くにいて、こっそり声をかけてきた。


「やっぱり、これもアプリのせい?」


「そりゃそうだよ。こんなことあり得ないでしょ」


夢は愉快そうに目を細めて靖を見ている。


靖はさっきから教室内をグルグルと駆けまわり、だんだん息が切れてきていた。