恐怖ダウンロード

「まだ怖いの?」


夢があたしの気持ちを見透かしたように聞いてくる。


あたしはゴクリと喉を鳴らしてコーラを飲んだ。


氷が溶けてほとんど水みたいな味になっている。


「少しだけ」


アプリのことは信じている。


でも、怖くないと言えば嘘になる。


「毎回写真を投稿して、内容を決めて、それを繰り返すのもいいと思う。でもこの機能を使えば、間違いなく定期的に相手に恐怖を与えることができるよ?」


夢の言葉に自分の気持ちがグラつくのを感じた。


憎い相手に定期的に恐怖を与えられる……。


それは魅力的な言葉だった。


そんなことができるなら、きっと誰もが喜んで行動に移すだろう。


「……やってみようか」


そう言った声がガラガラに乾いていた。


さっきジュースを飲んだばかりなのに、緊張で乾きは加速する。


夢はあたしの言葉を聞いた瞬間から動きだしていた。


靖以外の3人の写真をアプリに取り込み始めたのだ。


じわじわと自分の背中に汗をかいてきたのがわかる。


さすがに緊張しているのだ。


もうひと口コーラを飲もうと思ったけれど、もう氷も残っていないことに気がついた。