恐怖ダウンロード

「靖子大丈夫?」


棒立ちになったままのあたしに夢が心配そうな顔を向ける。


他の客や店員たちも何事かとこちらを見ているのがわかった。


それでも体は動かない。


まるで、この女に体を支配されてしまったようだ。


そこまで考えてハッと息を飲んだ。


幽霊の体を支配される。


それは靖への恐怖じゃなかったか?


靖は何者かに操られて教室内で踊り狂っていたはずだ。


女が完全に顔をあげ、見開いた目であたしを睨みつけた。


その目は真っ赤に充血し、赤い血が流れ出している。


悲鳴を上げたいのに、それすらできない。


喉を誰かに押さえつけられている感覚だ。


女が立ちあがり、あたしに手を伸ばしてくる。


いや、やめて!


心の中で叫んでも誰にも届かない。


夢はさっきから声をかけてくれているけれど、その声も聞こえなくなっていた。


女の手があたしの腕に触れた。


それは人間のものではない冷たさを持っていた。


触れられた場所から全身が凍えていくような冷たさに襲われた。